大矢素子(おおや もとこ)
英国生まれ。東洋英和女学院高等部卒業後、東京藝術大学楽理科に入学。在学時、オンド・マルトノの音響に魅了され、演奏と研究の両面からアプローチ。同大学院在学時、開発者モリス・マルトノ著『アクティヴ・リラクゼーション』を翻訳出版(春秋社)。博士課程在学時ロータリー国際親善奨学生として渡仏の後、パリ国立高等音楽院に入学。同音楽院在学中、メシアン《三つの小典礼》の世界ツアーにソリストとして出演(ジョルト・ナジ指揮、パリ国立高等音楽院オーケストラ)。平成20年度文化庁新進藝術家海外派遣制度生として研鑽を積み、同音楽院オンド・マルトノ科を最優秀(首席)で卒業。モリス・マルトノの思想研究により音楽学博士号を取得(2012年度東京藝術大学)。
オンド・マルトノを原田(ハラダ)節(タカシ)、ヴァレリイ・アルトマン=クラヴリィ、音楽学を船山隆、福中冬子の各氏に師事。
2011年オペラシティ「B→C」(第132回)シリーズに出演。2014年NHK Eテレ「スコラ 坂本龍一音楽の学校――電子音楽編」、2016年アカデミー賞監督賞・主演男優賞・撮影賞受賞映画「レヴェナント・蘇りし者」(C)2016 Twentieth Century Foxにおいて坂本龍一作曲の楽曲を演奏するなどテレビ・映画音楽においても活躍。また、文化庁主催「明日を担う音楽家」(2013年、藤岡幸夫指揮、東京フィルハーモニー交響楽団)、メシアン《アッシジの聖フランチェスコ》の全曲本邦初演(2017年、シルヴァン・カンブルラン指揮、読売交響楽団)、NHK交響楽団主催「ほっとコンサート」(2018年、熊倉優指揮、NHK交響楽団)、サントリー芸術財団主催「作曲家の個展」(2018年、沼尻竜典指揮、東京都交響楽団)に出演するなど、オーケストラとの共演の機会も広がっている。
東京藝術大学教育非常勤助手、同大学専門研究員を経て現在同大学院非常勤講師。2019年3月、東京・春・音楽祭でリサイタルを開催(於上野の森美術館)。電子音響や他楽器とのコラボレーションを含め、現代音楽における演奏・研究両面からの活躍が益々期待される存在である。
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